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活動報告

通常総会・卓話会・交流会
北中連だより2021新春号 No.133
 9月2日(水)17時30分からアートホテル小倉ニュータガワで福岡県機械金属工業連合会北九州支部の通常総会・卓話会・交流会が開催されました。
総会議事では、令和元年度事業報告、収支決算及び監査報告に続き、令和2年度事業計画案、収支予算案、役員の改選案が上程され、いずれも原案どおり可決されました。

引き続き行われた卓話会では、日本銀行北九州支店長の梅田秀彦氏を講師にお招きし、「新型コロナウイルスと経済」をテーマにお話しいただきましたので、その要旨をご紹介いたします。
金融市場と企業金融
新型コロナウイルス感染症の影響下においても、リーマンショック時と異なり金融機関の「貸出態度」DIが厳しくなったと答えた企業の割合は上昇していない。
日本銀行の新型コロナ対応
  1. ) 基本的方針
    ① 迅速に対応
    ② 戦力の逐次投入はせず、最初から大きな規模で。
      政府や他国の中央銀行と連携し、コロナの影響だけで破綻するのを防止する。
    ③ 政策は適切に実行する。

  2.  ) 具体的な活動
    ・新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム 総枠110兆円+α
    ・金融市場安定のための円・外貨供給
    ・EFT・J-REITの積極的な買い入れ
以上の動きにより、貸出残高は増加し、株式・為替も戻った。
過去のパンデミックに学ぶ
スペインインフルエンザ流行時(1918~1920)には、総人口の2.1%が死亡。現在の人口に換算すると1億5千万人に相当。
1人当たりGDPにして6%下押し。
これに対し、新型コロナウイルスでは、7月5日現在、世界全体で死亡率は0.007%。日本に限れば、0.0008%と低い。
歴史を振り返ると、20~25年に一度パンデミックは起きている。これへの対応が社会を造っていくので、社会は変わらざるを得ない。
スペインインフルエンザに公衆衛生政策が対応できた地域は、その後、成長し、雇用も増加した。公衆衛生への対応は短期的にはマイナスかもしれないが、長期的には経済成長に寄与することが示されている。
世界経済
  1. )中国
    財政で相当なカンフルを打っており、回復してきている。
    GDPに占める個人消費の割合が日本で60%、米では70%と高いのに対し、中国では設備投資や貿易の占める割合が高い。
    このように経済構造が異なるので、中国では、他の先進国のようには今回の対策として人民に金を配ることはしていないが、公衆衛生の徹底と相まって経済が回復している。

  2. )米国
    徐々に回復に向かっている。
    所得階層別にみると、選択的支出が多い高額所得者の回復のテンポが遅い。

  3. )欧州
    消費電力や職場への移動の増加状況、時短勤務割合の減少などに示されているように徐々に回復している。

  4. )日本
    ・自動車輸出は、少し回復の兆しが出てきている。
    ・大都市の繁華街への夜の人出、飲食店への来店件数、新幹線の利用状況は厳しい状況が続いている。
    ・緊急事態宣言が当初から出された地域の個人消費の戻りが弱い。
    ・インバウンドは激減したまま。 日本人の国内旅行の市場は21.9兆円。外国人の訪日旅行(インバウンド)市場は4.8兆円だったのに対し、日本人の海外旅行(アウトバウンド)の市場規模は3.5兆円。アウトバウンドを国内に誘導することで、インバウンドの減少をかなりカバーできる。
    ・設備投資はかなり厳しい状況にある。
北九州市経済のポイント
  1. ) 6月短観の特徴
    新しい生活様式下における消費行動変化による売り上げが減少。
    運輸、宿泊・飲食、卸・小売りにおいて、3月短観に引き続き景況が悪化した。
    これらの業種の景況悪化の影響がテナント賃料や民間工事案件の減少などを通じて不動産や建設にも波及し、業況悪化業種が拡大している。
    グローバルな自動車の販売や製造の減少が影響し、自動車のみならず鉄鋼、金属製品、生産用機械、電気機械、紙・パルプなど幅広い製造業の景況感の引き下げ要因になっている。

  2. ) 先行きの展望
    自動車産業の回復スピード、消費の底打ちからの回復スピード、第二波への懸念など、不確実性が高い状況にある。
    大型小売店売上高の推移をみると、個人消費は下げ止まっているもの弱い動きとなっている。
    北九州市はインバウンドがもともと少ないので、この点が今後、有利に働くと思われる。

  3. ) 労働需給
    有効求人倍率は低下しており、ひっ迫していた労働需給は緩和

  4. ) 感染再拡大と経済
    全国に流された北九州市における第二波報道(6月頃)が、市民の行動を一段と慎重にしたものと考えられる。
    そのため、経済再開直後のペイントアップ需要(景気後退期に購買行動を一時的に控えていた消費者の需要が、景気回復期に一気に回復すること)の一部を失った可能性がある。
    高齢者比率の高さがプラス、マイナスの両面の影響が考えられる。
    <プラス>  選択的な支出が少ない
    <マイナス> 高額所得高齢者が夜の街に出ない。

  5. ) コロナ損失を最小限にするために
    新しい生活様式の下で消費支出行動が変化する。その対応がポイント。
    ・コロナ下での浮遊資金(外食、被服、医療サービス、交通、旅行、理美容品、ガソリンなど) 1,100億円をいかにして取り込むか!
    ・新型コロナによる一時的な特需 ・IT化など従来の勝ち組が一段と飛躍
    ・コロナに対応していかに完全なサービスを提供するかなど、新たな需要への対応
卓話会終了後、多くの来賓、会員の出席を得て交流会が開催され、盛会裏に終了いたしました。
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