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北九州市への提言

北九州市長へ要望書を提出
 令和2年11月24日(火)、池田会長をはじめ、梯、富澤、安田、樋口の各副会長が北九州市役所庁舎を訪問し、北橋健治市長に「令和3年度北九州市の中小企業対策に関する要望を手交しました。
 この要望書は、北中連の4部会(工業、商業、建設関連、サービス業その他業種)と金融税制委員会において論議された要望・意見を集約し、正副会長会議、理事会で検討を加え取りまとめ、承認されたものです。
 当日は、北橋市長をはじめ鮎川産業経済局長、柴田泰平雇用・生産性改革推進部長、本島直樹中小企業振興課長の出席を得て、要望書の内容について説明を行いました。
今回の要望おいては、新型コロナウイルス感染症により多くの中小企業が大きな打撃を受け、未曽有の深刻な状況に陥っていることをふまえ、十分な予算措置と的確な施策を講じ得るよう、特に強く要請しています。
 このコロナ感染症対策を含め、要望項目は、10分野48項目にわたっています。

 この要望書を受け、北橋市長からコロナ感染症対策、中小企業の人手不足対策、ロボット導入やIot化の推進施策、SDGsの推進、テレワークの推進施策などについて、説明がありました。
景気対策
1 市内事業所の99%、従業員数の約8割を占める中小企業は、本市経済の発展と活力の源である。市においては「北九州市中小企業振興条例」の基本理念に則り、「第2期北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中で「地域経済活性化の推進」を謳い、種々の施策を実施しているところである。
しかし、令和2年は新型コロナウイルス感染症の急速な拡大に伴い政府による緊急事態宣言、知事による休業宣言がなされ、経済活動は停止し、リーマンショックを上回る景気の落ち込みにより深刻な事態となっている。
このような緊急事態の中、中小企業が立ち直り安心して事業を継続できるよう、金融、税制などを含めた総合的な中小企業施策の実施と予算の確保を行っていただきたい。また、国に対して、コロナ感染症を抑えつつ我が国経済を回復軌道に乗せるべく、迅速かつ的確な金融、財政政策や税制改革の実行を積極的に働きかけていただきたい。
新型コロナ感染症対策
2 中国に端を発し、世界中にパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス感染症は、わが国では一旦落ち着きを見せた。
しかし、緊急事態宣言や休業要請が解除され、人や社会が動き出すとともに再び感染が拡大した。この感染症の抜本的な解決のためには、治療法の確立、ワクチンの開発と幅広い接種が不可欠だが、それには相当な時間を要する。その間、ウイルスと共生しながら、地域ごとに感染の状況と社会経済活動の調整をしながら、何度も押し寄せる波を凌いでいかなくてはならない。
経営環境の激変で、幅広い業種にわたり数多くの企業が大変な苦境に立たされている。とりわけ、中小企業の受けた傷は深い。
このような中、経営を再建・持続していく上では、国、県、市の連携した有効な支援が非常に重要である。そのためには、施策立案の基礎として企業が受けている影響、抱える課題・ニーズを正確に把握し政策立案に結びつけていただきたい。
 今回のコロナ感染症の流行により、社会は大きく変わっていくことになる。それに伴い、企業が対応すべき課題もたに生まれ、変化していく。その把握のためにも、この調査が必要である。

3 今回の新型コロナ感染症拡大により影響を受けた企業への支援のため、持続化給付金や家賃補助など各種の助成制度が、国、県、市によって用意されている。これらの制度は類似であるが要件や限度額が異なり、使う方からすると、自分が対象者となるのはどの制度か、どの制度が利用できるのか、わかりづらい。
 これらの類似制度を俯瞰できるように一覧的に示しその違いを明らかにして、どの制度が使えそうか事業者が俯瞰的に理解できるようにしてほしい。これは国、県にはできず、できるのは市だけである。利用促進に向けた周知活動に活発に取り組んでいることには敬意を表するが、より分かりやすいPRに一層の尽力を願いたい。

4 新型コロナウイルス感染症の流行により、中小事業者、特に飲食店事業者の売上の落ち込みは甚だしい。これを支援するため、持続化補助金、家賃支援給付金などの制度の継続を国に要望して欲しい。
 また、これらの制度の申請はネット利用に限られており、添付書類をpdf、jpgなどの形式にしなければならない。ITリテラシーの乏しい中小零細・高齢の事業者にはこれらに対応できない者も多い。ワンストップで、相談から申請手続きまでできる会場を開設し、積極的にPRして欲しい。

 さらにクラウドファンディングを活用し地元に新たな事業者を育てるシステムづくりをしてほしい。

5 新型コロナウイルス感染症流行の関係で多くの公共工事の規模が縮小されている実態がある。地域経済浮揚のカンフルとなるよう、できるだけ工夫して発注をかけていただきたい。
地域振興対策
6 北九州空港は国土交通省から訪日誘客支援空港〔拡大支援型〕の認定も受けている。この間に、国際線・国内線、更には国際チャーター便、貨物定期便の積極的な誘致を進めるとともに、滑走路の延伸(3,000m化)を早期に実現するべく努力していただきたい。
 今回の新型コロナウイルス感染症の流行により、国内外ともに航空需要は激減したしかし短期的に停滞や見直しが生じても、長期的な経済のグローバル化の流れは止まらない。現下の事態だけにとらわれず、コロナ後を見据え、チャンスを逃さないよう果敢に活動していかなくてはならない。
福岡県、九州全域を俯瞰すれば、欧米主要都市との定期便を持てる国際空港の設置は喫緊の課題である。現在、福岡空港が2,000億円近くかけて二本目の滑走路を建設中である。しかし、これが2024年度中に完成しても、混雑空港に指定されている同空港の発着枠はすぐ埋まるものと見込まれ、将来の需要予測に対応できないことは明らかである。また福岡空港は市街地に立地し夜間運用ができない。一方、北九州空港は海上空港であり、24時間離発着が可能である。これらの諸点をふまえると、北九州空港に福岡空港を補完させ、連携し運用を図ることが不可欠だ。そのためには、高速で定時性の確保できる軌道系アクセスの整備が大きな課題となる。この軌道系アクセスの検討は、北九州空港の利用者が200万人を超えてからが想定されているが、そのようなペースでは世界の潮流に置いて行かれてしまうことになる。足立山をトンネルで抜いて、幹線を空港まで引き込むのは1,200億円程度でできるのでは、と言う説もある。これが実現できれば、東京駅から羽田空港よりも短時間で福北を結ぶことができる。
北九州の知名度が世界的に小さければ、名称は福岡空港でも構わない。福岡空港と北九州空港の位置付け、機能分担、連携のあり方等を明確にするため、福岡県、福岡市と早急に検討の場を持つか、あるいは両市の経済団体が早急に検討会を開くよう働きかけていただきたい。

7 本市には仁川ハブや沖縄を経由しアジア4都市と結ぶ国際貨物定期便を持つ北九州空港、国際拠点港湾の北九州港がある。また高速自動車道の九州自動車道と東九州自動車道の結節点という交通の要衝に位置していることからも、我が国のみならず東アジアとしての視点からも物流拠点となるポテンシャルを備えている。今回の新型コロナウイルス感染症流行の経験から、リスク分散に向けて今後サプライチェーンの見直しが進むことは必至である。国内回帰とともに、特定国への依存度を下げ、多くの国への多様なネットワーク形成がなされる。この環境の中で、空路や航路の誘致に、これまで以上に積極的に取組み、物流拠点形成を一層推進してほしい。また、本格的な流通団地を整備するなどについても、積極的な施策を実施していただきたい。

8 東九州自動車道は、東九州地域はもとより、九州全体の産業や経済の一体的な発展に寄与するものであり、また、災害時には緊急輸送路として極めて重要な道路となっている。しかし、ほとんどが暫定2車線での供用であるため、対面通行による交通事故、交通事故や自然災害による通行止めなどが発生し、安全で、定時性が確保されるネットワークとしての道路としての役割が果たせていない。少しずつ4車線化に向けた整備がなされつつあるのは理解しているが、できるだけ早期に完全な4車線化が実施されるよう、引き続き国に要望して欲しい。

9 下関北九州道路は、本州と九州を繋ぐたな幹線道路として、またアジア交易を中心とする国際物流拠点形成に向け、関門地域の一体化を図る都市間連絡道路として非常に重要である。関門国道トンネルや関門橋は老朽化による補修工事等のため渋滞や通行止めが度々発生している。下関北九州道路は、このような状況を解消し、脆弱な関門間の交通インフラを強化する効果が大きい。また大規模災害時における代替機能としての役割も担うことが期待される。九州と中国地方を結ぶ大動脈の機能強化と道路網の多重性確保の点から下関北九州道路の建設が後退することなく、早期に実現するよう国に対して強く要望していただきたい。

10 本市の第三次産業の強化のためには、国内外から観光客を誘致し、ビジターの宿泊滞在を増やすなど、持続的に観光産業の振興を図っていかなければならない。
  今回のコロナ感染症による影響をふまえると、インバウンド重視に偏ることなく国内客についてもバランスを考え施策を展開すべきだ。新型コロナ感染症流行前の2019年におけるアウトバウンド(日本人の海外旅行)の市場規模は3.5兆円で、インバンド(外国人の訪日旅行)の4.8兆円にほぼ匹敵している。アウトバウンドの目を北九州市に向けさせる施策を再検討する必要がある。本市のもつ世界遺産や景観などの観光資源を生かし、加えて食、祭、歴史、文化、自然、体験型などをテーマに九州・山口エリアとしての魅力を創出・再発見する。その戦略にもとづき観光ルートを開発し、広く情報発信する。
このように周辺自治体・経済団体と連携して魅力づくりを一層進め、観光客の増加と本市における消費拡大につなげていただきたい。

11 「産業観光」は、ものづくりの街である本市の特徴を表した事業である。平時には、TOTO、安川電機、シャボン玉石けんなど60箇所近くの工場見学が可能であるが、引き続き、特徴ある中小企業の発掘に努めてほしい。
さらに本市の環境施設、文化施設等とセットにして、修学旅行をターゲットにした誘致活動を行うなど、本市の特性を活かした観光振興を図っていただきたい。
工業地域振興対策
12 関東、関西、中部地区で開催される全国規模の展示会等への出展は、北九州市の知名度向上を図るとともに、技術力や製品力を有する市内の中小企業が域外に保有する技術や製品を紹介し、販路開拓を図る上で有効な手段となっている。引き続き、各地で開催される大規模展示会への出展助成を充実して実施していただきたい。

13 市内の工業団地は、ものづくり産業の中核であるというだけでなく、工場景観として地域の顔ともなっている。さらに、近年は産業観光の振興により海外を含めて来客も多く訪れているので、工業団地内だけでなく、アクセス道路等を含めた工業団地周辺の環境整備を進めていただきたい。

14 製造業において電気代のコストが大きな意味を持つのは当然で、最近の自然災害時のブラックアウトの事態を見ても、停電は、企業はもとより生活者全体の文字通りの死活問題となる。安定した安価な電力の供給は国民生活に必須である。
長期的に自然エネルギーはじめ再生可能エネルギーに軸足を移していくことについて異論はない。しかし、太陽光や風力発電はじめとする自然エネルギーの不安定性とバックアップ電力の必要性を考えると、近い将来に全面的に依存できる状況にはない。
また、主力電源である火力発電はCO2排出による地球温暖化問題を抱える。この状況をふまえると一定の間、安全基準を満たした原発を不必要に操業停止することなく、適正なエネルギーミックスを達成していく必要がある。そのため、再生可能エネルギーに加え、原子力発電についても技術革が進むように国が指導するよう要請していただきたい。

15 令和元年10月から消費税率が10%に引き上げられた。中小・零細企業が消費税を価格へ転嫁しやすい環境が損なわれ、増税のしわ寄せを中小・零細企業が被ることがないよう、消費税の転嫁拒否等の行為に対して実効性のある監視・取締りが徹底されるよう、国に対して要請していただきたい。

16 本市は、わが国におけるモノづくりの拠点都市として発展してきた歴史を持っている。将来に向けても、さらにものづくり拠点として成長できるよう、次世代自動車産業、航空機産業、ロボット産業、環境産業、水素や風力等のエネルギー産業など、成長が期待される産業の集積・拠点化を図るため、産学官連携の取組みをさらに推進していただきたい。
  また既存産業の生産性向上に向けても産学連携の推進は重要である。中小企業が努力を重ね蓄積してきた技術の上に、IoT化、AIやロボットなどデジタル技術の活用を促進して高付加価値化を進めていかなくてはならない。
  大企業に比べ遅れがちな中小企業におけるデジタル化の推進のキーとなるのは産学連携である。しかし、多くの中小企業にとって、学の垣根は高いのが実態である。中小企業が産学連携に取り組みやすい仕組み、環境づくりに力を注いでほしい。
このデジタル化への対応を含め、中小企業の生産性向上・高付化のためには従業員の知識や技術力の向上が不可欠だ。その一つの有力な手段がリカレント教育である。中小企業が大学等へ従業員を送り出しやすくする仕組みづくりや支援をお願いしたい。
商業振興対策
17 中小企業者小売・サービス事業者にとって生産性向上、あるいは現下のコロナ感染症対策のため、キャッシュレス化に向けたスマート決済の導入やそれを支えるバックオフィスのIT化、ホテル・シェアオフィスを活用したテレワークが課題となっている。その推進のための予算確保と支援の拡充を図っていただきたい。

18 プレミアム付商品券の発行は、商店街にとって非常に有益であり、確実な購買効果が期待できる事業である。今年度は、福岡県と北九州市が連携して、プレミアム率20%のプレミアム付商品券を発行することができた。来年度も引き続き予算を確保し、支援を継続していただきたい。

19 スペースワールド跡地へのイオンモールの出店は、令和4年春にせまっている。出店計画の情報収集を早期に行うとともに、それを公表し、地域商業団体と連携した市域外など広域からの集客、北九州全体の回遊性向上などへの取り組みについて意見交換ができるよう、指導していただきたい。
  また、北九州市がイオンモール出店予定地に投資する金額と同等以上の金額を北九州市の都心・副都心に投資し、北九州市全体の地域商業が上向くようにしていただきたい。

20 京町二丁目7番地区、魚町三丁目2番地区の再開発準備組合が設立され、旦過市場の立体換地、旧西日本シティ銀行北九州営業部や旧丸源会館などの開発も準備が進みつつある。このように小倉都心部で多数の大型開発計画があるが、それぞれがバラバラに進行している。都心の魅力度を高め、都市間競争力を強めるためには、これらのプロジェクトが相乗効果を発揮するものにしていかなくてはならない。
  そのためには、都心全体を俯瞰し、プロジェクト計画について情報交換・協議していく機能が求められる。その主体は民間であるが、このような会議が設立されるよう北九州市は強く働きかけを行ってほしい。
  福岡市は、天神地区の再開発に当たり「天神ビックバン」と華々しく打ち出している。この小倉都心部の動きは、これに匹敵する取組みである。北九州市のイメージアップのため、また魅力的で集客力のあるテナント等を幅広く呼び込むためにも市として大きくアドバルーンを上げ、情報発信してほしい。

21 「船場広場」について、市は地主との使用貸借契約に当たり、使用する期間は10年を基本に協議することとしている。
しかしながら、一方で、地主による早期の開発を切望しているとのことである。このような状況では、事業者はリスクを冒してまで投資をできない。市としての方針を明確に示し、事業者の投資意欲を喚起するように取り組んでほしい。
  その上で「船場広場」において、市主催のイベントを積極的に開催したり、誘致するなど「船場広場」の活性化の手助けをして欲しい。
  併せて、トイレを設置し、電気容量とコンセントの増設をしてほしい。

22 都心小倉駅前地区は、北九州市の顔ともいうべき場所である。この小倉駅前周辺における飲食店の客引きは、一般通行者の迷惑になるばかりか、せっかく暴力団追放に成功しつつある北九州市のイメージを損ね、観光面に与えるマイナスも非常に大きい。
  北九州市が設けた「繁華街における客引き行為等の対策検討会議」では、令和3年中の市条例化を含めた対策を検討している。指導員の人件費等充分な予算を計上するとともに福岡県警と協働し、その実効が上がるような取組みを行っていただきたい。

23 小倉駅前地区商店街への自転車の乗り入れは、「道路交通法」に違反しており、街内歩行者にとって非常に危険な存在である。自転車事故厳罰化の流れもふまえ、迷惑行為防止巡視員を活用するなどして厳正に取り締まって欲しい。

24 小倉駅前地区商店街内における看板・売台・ノボリなどの公道上へのはみ出しは、目に余るものがある。街内歩行者の通行の妨げとなるばかりでなく、商店街の良好な雰囲気を壊している。
  この問題は、商店街内における問題とは言え自助努力だけでは解決が難しいのが実態である。行政においても、年1回程度の区まちづくり整備課と小倉北署による見回りだけでなく、違法なはみ出し看板・売台・ノボリなどを公権力で撤去することも視野に入れ、恒常的かつ厳正な取り締まりを行ってほしい。

25 黒崎で引き続きリノベーションスクールを実施するに当っては、まず令和2年2月黒崎で開催した際の成果や参加者が少数に止まったなどの反省点を検証する必要がある。その上で、平成23年から平成30年まで13回開催を重ねた小倉魚町における知見を活かし、オール黒崎で取組むような体制づくりが重要だ。市には、その実現のため、幅広いまちづくり関係者に参加を働きかけてほしい。
  また、テレビ会議システムを活用するなど、新型コロナウイルス感染症下における三密を排したしいリノベーションスクールのあり方を実行委員会に対し指導していただきたい。

26 「まちゼミ」とは商店街のお店が講師となって、プロならではの専門的な知識や情報、コツを無料で受講者( お客様 )に伝える少人数制の講座である。店の存在・特徴を知ってもらうとともに、 店主やスタッフとお客様のコミュミケーションを通じ信頼関係を築くことにより、お客様、お店、地域のいずれもが「得をする」事業である。
  この「まちゼミ」は、これまで北九州市内では魚町、門司港、若松、黒崎などで開催され、全国的には350ケ所以上での開催実績がある。来年2月には、まちゼミに取り組む関係者を福岡県はもとより全国から集め、情報交換を行う第5回福岡県まちゼミフォーラムが魚町を会場に開催される。
  この中では、子供達を対象として、街に親しんでもらい、コミュニティの再生を担う人材づくりを目指すプログラムも組み込む予定となっている。ついては、この取り組みに北九州市・教育委員会が後援してほしい。

27 商店街・市場の再生には、北九州市内の商店街・市場の情報交換・意見交換が重要である。お互いの商店街・市場がどのような取り組みをして、どのような効果を出しているかを知ることで、自らの商店街・市場の立ち位置・方向性が明確になる。
  従来、商店街青年部連絡協議会やおかみさん会における交流が、この情報交換の機能を果たしてきた。しかし、メンバーの年齢層の上昇、担い手不足や母体である商店街本体の弱体化もあり活動停止を余儀なくされ、これに代わる情報交換の場づくり
が急務となっている。
  市が商店街関係者を対象とする勉強会、講演会、セミナーなどを開催する際に、極力、意見交換や情報交換を行うプログラムを組み込み、実質的にこの機能の再生を図ってほしい。幅広く知見を得ようとする強い意欲を持った参加者間の意見・情報交換は、商店街の再生に向けた強力な人的ネットワーク形成に寄与すると考える。

28 商店街アーケードのほとんどは昭和40年~50年ごろに建造されて、老朽化が甚だ進行している。しかし、改修・撤去に大きな費用がかかるため、手づかずのままになっているものが数多い。火災感知システム・非常用放送・連結送水管など消防設備の不備もあり、一旦火事になると木造家屋を中心に甚大な被害が生ずる恐れが強い。
  事故・災害を未然に防ぐため商店街・市場のアーケードの老朽化診断を早急に行い、指導を徹底・強化するとともに、改修・撤去に対する補助・助成の予算を計上してほしい。
受注対策
29 地球温暖化に伴う気候変動により、災害を伴うような集中豪雨が毎年のように発生している。急傾斜地の崩壊や河川の氾濫による被害は甚大となる。防災上の観点から、道路や河川などの危険箇所の安全点検を強化するとともに、計画的・継続的に補強・改修工事を実施していただきたい。
  コロナ感染症対策で、様々な施策が講じられ、大きな予算が投入されている。その結果、財政が圧迫され、長期的には公共工事は縮減される懸念が強い。しかし、住民の安全で安心な生活を守るためには、土木建築工事の強化による備えが重要であることを忘れてはならない。

30 中小建設業者が、残業時間の削減や週休2日制の導入などの働き方改革を実現し、従業員の労働条件を改善できるよう、工事の積算に当っては工期、人件費、諸経費に十分な考慮をしていただきたい。また、自然災害による資材調達の遅れ、近年の猛暑に起因する熱中症への予防のため作業時間を短縮せざるを得ない場合があることなどをふまえ、工期の延長に柔軟に対応していただきたい。さらに、夏場の異常高温や冬場の異常低温等に対し、季節に応じた人件費の割り増しを実施していただきたい。

31 「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」に則り、官公需適格組合を始めとする事業協同組合等の受注機会の増大を図るとともに、引き続き、窓口の契約担当者に周知徹底していただきたい。

32 工事請負契約における提出書類や工事写真などの提出物の負担は、要望に応じ改善がなされてきており、感謝している。
今後も不断に見直しを行い、簡素化に引き続き取り組んでいただきたい。

33 行政が公共工事を発注する際、コンサルタントの設計事務所に設計図の製作を委託するが、設計者が現地の実態を把握することなく設計すると、現場での工事に支障をきたすことがある。発注者は設計図書が現地の実情に合致しているか否かを確実にチェックし、発注者、設計者、施工業者の間で意思の疎通に齟齬が生じないように配慮していただきたい。
金融税制対策
34 生産性向上を目指す中小企業を支援する先端設備等導入計画(固定資産税ゼロ特例事業)の期間は、令和2年度末から令和4年度末まで2年間延長される見込みであるが、より積極的な設備投資を促すため、さらに延長するよう国に積極的に働きかけていただきたい。

35 今回の新型コロナの流行により、企業や住民の行動は大きく変わることが予想され、これは東京一極集中の是正という点からみれば、好機である。
  その場合、転出先の受け皿の中心となるのは、都市機能が集積した政令市や県庁所在地など事業所税の課税対象地域である。これらの地域への企業の進出を促し、雇用の場を創造していくうえで、事業所税の撤廃は、一つの梃子となる。合計特殊出生率が地方に比べ著しく低い東京から地方への転出者を増やすことは、国の少子化対策としても有効である。
  このような大きな枠組みに立ち、事業所税の撤廃とこれにより失われる財源の代替措置を国へ要請してはどうか。

36 地域経済を支える中小企業等に対して行われている法人税率の軽減特例(19%→15%)は、適用期限が令和3年3月31日までに開始する事業年度までとなっている。中小企業の経営基盤安定・強化のため、さらに期間を延長するよう、国に積極的に働きかけていただきたい。

37 交際費が800万円まで損金算入できる交際費課税の特例措置の適用期限は、令和4年度まで延長されたが、この交際費の損金算入の上限を取り払うよう国に要請してはどうか。この措置は、新型コロナの影響で苦しむ飲食業など地域経済の活性化に大いに寄与する。交際費を野放図に損金算入する懸念については、中小企業は財務上の制約から交際費に使う額には自ずと限度があり、規律は確保できるものと思われる。
労働対策
38 市が雇用対策を重要課題と認識して力を入れ、様々な施策を講じていることは高く評価している。また全体的に見れば、一時に比べ人手不足感は弱まる傾向にはある。しかし中小企業では人手不足の状況は依然として続いており、その実感は薄い。
求人募集しても全く反応が見られない職種も多く、経営の持続を揺るがす要因になりかねない事態だ。また人手不足から安全性を損ね、労働災害を招く懸念も生じている。このような中、募集費用が非常に大きくなりつつあり、それが収益を圧迫してきている。引き続き効果的な施策を講じることにより、地元中小企業の人材確保を支援していただきたい。

39 市内の本有効求人倍率は令和元年度をピークに低下してきている。令和2年6月はコロナ感染症の影響もあり、前年6月の1.39倍から1.01倍と落ちており、労働需給は緩和されてきているように見える。しかし中小企業における人手不足の逼迫感は依然として強く、中小企業の存立を脅かす事態となっている。実際、今年度の人材確保支援事業の調査でも多くの中小企業が公的機関や求人誌などを通じて求人しても応募者がいないと訴えている。人材確保のための有効な支援策の立案に資するよう、中小企業を直接訪問して経営者の生の声を聴取する実態調査を引き続き実施していただきたい。

40 人材確保、特に、幹部候補生やスタッフ職など中核となる人材の採用難は、非常に深刻な問題となっている。
中小企業にとって、この人材供給源としてはUターン求職者が有望だと考えている。
 市が展開しているU・Iターン事業は、人口増、税収増につながり、企業にとっても将来の経営を担う貴重な人材の確保につながる施策である。これをより大きな成果を生み出す仕組みにブラッシュアップする必要がある。成果目標を設定し、その実現に向け、よりきめ細かく踏み込んだ支援に取り組む必要があるのではないか。例えば、求職者情報の企業への開示やマッチング機能の強化を検討願いたい。
またUターン就職者に対する移住費用の支給制度などは、行政と企業の双方が負担し、より厚い支援へと拡充していくことも考えられる。

41 近年は気候変動による災害が頻発しており、防災上からも災害時の早期復旧のためにも、建設工事の重要性が見直されている。しかしながら、建設業界には現場監督者をはじめ技術者、作業員等の人手不足は深刻で、仕事はあっても受注できない状況となっている。市民の安全・安心を図るうえからも、建設業従事者の人材の確保について支援していただきたい。

42 中小企業における人手不足は深刻で、恒常化しつつあることから、外国人の就労を検討せざるを得ない状況である。
  外国人労働者の生活支援など受入環境を整えるため、日本語教育の充実や住宅確保、医療・福祉などの相談体制の整備などを国に働きかけていただきたい。

43 中小企業の優れた技術・技能は、我が国産業の国際競争力の強化に貢献するとともに、製品・技術開発やたな産業を創出する基盤ともなっている。本市には、ものづくりの都市として発展し、わが国の経済成長を支えてきた歴史、技術的・人材蓄積がある。
その市内のものづくり中小企業の技術・技能、ノウハウが衰退することなく円滑に技術継承が図られるよう、人材育成の支援策を引き続き実施していただきたい。
環境対策
44 近年の気候変動は我が国のみならず世界の多くの国々に影響を与えており、その原因の一つと考えられる地球温暖化への対策が強く叫ばれている。市は、環境にやさしい街づくりのため、低炭素社会の実現を目指し、究極のクリーンエネルギーとして注目されている水素エネルギー社会づくりに取り組んでいる。その方策として、地元の水素関連産業を育成するとともに、自動車の分野のみならず水素エネルギー活用の動機付けや普及促進を図っていただきたい。

45 エコアクション21の認証・登録は、中小企業にとって、環境対策への取組みを評価されるだけでなく、事業の効率化、省エネルギーなどの経営改善にも貢献するものである。エコアクション21地域事務局環境未来は、啓発・普及活動や認証・登録事務を実施する機関である。導入セミナー、実践講座等の開催に対する支援のほか、これまで以上の支援策を講じていただきたい。

46 本市は国からSDGs未来都市に選定され、持続可能な社会への取組みの先進地として期待されている。その実現に向けては、北九州市SDGs未来都市計画が策定され、取組みが進められようとしている。
経済活動の主体である企業もその推進の一翼を担っている。しかし、どのような取組みを行うべきかの認識が中小企業に深まっているとは言えないのが実態である。まずは、具体的な動きに踏み出すため、行政が中小企業と連携し、総花的ではなく的を絞った周知・啓発から取り組む必要がある。

47 北九州市のSDGs推進には、多数の市の部局がかかわっている。このため、事業者が具体的な取組みを始めようとする際、どこを窓口に話を進めたらよいのか、外部からも明確にわかるようにしてほしい。
  また北九州市の成果目標の達成に向けアクションプログラムを策定し、その達成率を適宜公表するなど次の段階に進んでほしい。
北中連関係
48 本連合会は、昭和29年の設立以来、64年間、北九州地域の中小企業支援と地域振興に積極的に取り組んできた。
今後も北九州市が実施する各種中小企業施策に、市と連携し積極的に取り組む所存であるので、引き続き本連合会に対し委託事業の発注など特段の配慮をお願いしたい。

令和3年度

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令和2年度

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令和1年度

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